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 第三章『憧れとの再会』⑤

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 ドライヤーの音が微かに聞こえて、目を覚ました。

(頭が痛い……)

 知らない部屋の天井が見え、少し動揺する。

「ここ、どこだろう……」

 ベッドから体を起こし、確認するとやはり自分の家ではなく、誰かの家の寝室である。

(誰の家だろう……)

 志摩だろうか。

(いや違うな、志摩なら自分の家に運ぶ……)

 だとすれば、それ以外の人物。

 例を挙げるとすれば、飲み会で関わっていた人物。

 城永か、村雲か。

(城永君ならいいけど、村雲君なら困る……)

 前者なら当たり、仲の良さ的には後者な気がしてならない。

(やっぱり、村雲君なのかな……)

 頭を抱えながら、横に振る。

 髪を乾かし終え、浴室から出てくる男性。

『おまたせ――』

 裸の体に、胸まで巻かれたタオル。

『もう、春島君。酔いつぶれて、運ぶの大変だったのよ……』

 たくましい二の腕が自分の腕を掴み、顔を近づける。

 ベッドは一つ、することも一つ。

(自分は村雲君を抱けるのだろうか――)

 いや、自分が抱かれる側だろうか。

 そんな想像をしながら、ガクガク震えていると、シャワールームから髪を乾かし終えた男性が出てくる。

「おまたせ」

 その声の方を見ると、バスローブを着た童顔で若々しいオメガの姿があった。

「えっ、嘘――」

 自分がずっと憧れていた男性が目の前にいる。しかも、裸に近い姿で。

「男二人だと、ベッド狭いかもね」

 そう言い、彼はその恰好のまま、自分が座っているベッドに乗ってくる。

 ただ、彼は物凄く酔っており、目が少し虚ろな印象を受けた。

 そして彼はこんな事を言い出す。

「ねぇ、しちゃわない?」

 そのしちゃうというのは勿論、性行為の事で、彼は自分の股間部分を優しく撫でる。

(あー、ヤバい……)

 ぐでんぐでんの彼は、自分の初恋の相手という事もあり、かなり色っぽく、自分の情欲が掻き回せられた。

 彼は自分の頬に口づけをし、頭や髪を撫でて、そのまま唇に指で触れる。

 自分が子供の頃から望んでいた事だから、とても嬉しい。

 だが、引っ掛かる事が一つ、それは彼の実子の事だ。

「ちょっと、待って。さっき、子供いるって言ってたよね……」

 それを口にすると、彼は戸惑ったのか、スキンシップが止まる。

「独身の自分が言うのは変だろうけど、お子さんに悪くないかな?」

 しばらくその場は静まり、自分は震える口で話をする。

「小学何年生だったか、忘れちゃったけど、城永君に振られちゃった事、今でも思い出すんだ……夢にだって出る事もある……」

 それは、あくまで言い訳で、今だって本当は彼と恋人になる事を期待している自分がいる。

「その後、言いふらされた事もあるし、今も正直少し怖い……」

 見た事もない彼の実子を思うのは、少しお門違いな気もするが、どうしてもそれが引っ掛かった。

 しばらく無言の後、彼が発した言葉に自分は驚愕する。

「ごめん、覚えてない」

「――えっ?」

 卒業までの長い間、ずっと言いふらされていた事実は、自分にしか残っていなかった。

(嘘……そんなに軽かったの?)

 という訳か、彼が覚えていないという事は、実際自分の記憶が正しかったのか疑問である。

(自分がそう思っていただけ、事実は違う?)

 そう思い動揺すると、彼はまた自分の股間をまさぐり始めた。

「やめて、勃っちゃうから――」

「じゃあ、お詫びセックスするよ。それでチャラ」

 そう言い、彼は自分のズボンを下ろし、ボクサーパンツ越しに、性器に触れる。

 自分は憧れの人物に愛でられていた為か、半分勃っており、理性とは別に本能が、彼と一体になりたいと望んでいるように感じた。

「下着、脱がすからね」

 下着が彼の細い指でずらされ、自分の性器が露出する。

「待って――駄目――あっ――」

 彼が自分の陰部に顔を近づけ、息を数回吹きかけた。

 そして、そのまま自分の陰部を舐め、口で咥える。

「駄目だって――お子さんや旦那さんに申し訳ない――」

 そう言うと、彼は陰部から口を離し、唾液が線を引いた。

「もう離婚してるよ――」

 その唾液まみれの口で、そう言う彼が愛おしく、性的に感じられ、自分のボルテージがグングンと上がっていく。

 彼はそう言った後、舌なめずりをし、自分の陰部を指で摩る。

(あー、とてもいい――)

 彼は結婚歴があるからか、とても手慣れていて、自分が良いと思った場所を言わなくても察し、そこを攻め、弄り倒した。

「そろそろかな――」

 彼が自分の陰部にゴムを被せ、ローションを自身の穴に塗り、馴染ませる。

「久々にするから、緊張しちゃうな……」

 そう言い、彼が自分の物を受け入れる。

「うっ――」

「――だ、大丈夫?」

 出産経験があると聞いていたから、すんなり入るものかと思っていたが、そうでもないらしい。

 それが自分を興奮させる。

「結構、大きいよ、ね?」

「――うん、ごめん」

 そう自分が謝ると、彼は意地悪そうな笑みを浮かべ、自分の上で何回も腰を上下に振った。

「うわ、す、すごい――」

 自分の体と精神が歓喜する。

「僕の事、好きなんでしょ?じゃあ、とことん付き合ってくれなきゃね」

 その時間はとても幸せで、夢を見ているようだった。

(幸せ、とても幸せ――)

 酒が入っていた為、何回したか忘れてしまったが、何度も性行為をしたのは事実である。

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