ポアリの歩有

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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』⑧

そこにいたのは金髪姿で、眼鏡をかけている男子だった。(あぁ、そうだ。彼だったんだな……) 自分が溺れていた時に助けてくれたのは。「本当にありがとうな」 私が一番ありがとうって言わなきゃいけないのに、話をさせてくれない彼に苛立ちを覚える。「私...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』⑦

彼に事情を聞くと、あの後彼は私みたいに学園側からの処分は無かったらしい。 だが、私が姉妹校に転校したと聞いて、心配で様子を見に来た。「そこで眼鏡を無くして、ずっと学園内を迷子して、今月の初めに山に辿り着いたと」「まぁ、そうだな」 可哀そうに...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』⑦

何かが集合体の中で輝いたかと思うと、大河が持っているものが光っているようだ。 彼がそれを手にすると、更に光り輝きだした。「あぁ、あれ。アクア君にあげたと思ったんだけど、彼が持っていたのか」「あれ、何ですか?万年筆にも見えますが」 理事長に初...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』⑥

夕闇の教室で幼馴染に、自分の事どう思っているか訊いた。「私は大河の事、嫌いじゃないけど、好きでもない」「僕はヒカリちゃんの事、好きだよ」 自分は沢山、彼女の良いところを知っている。「私は好きじゃない」 彼女の事を理解できるのは自分だけだ。「...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』⑤

山の落葉樹は、紅葉で色が変わっているというのに、ここのエリアの木々は青々とした葉を付けていた。 そして、空気もこの場所が段違いに美味しい気がする。 特に看板とかある訳ではないが、この雰囲気、美しい景色で、二人はここが目的地だと気がついたよう...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』④

彼らの事が心配で覗くと、アクアが木に登り、持っていたナイフで網を切ろうとしていた。「ねぇ、木と括り付けられている縄をナイフで切ったら、落ち――」 大河は思いっきり、その場に落下した。 それを見て数秒後、アクアが言う。「なんか言ったか?」「何...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』③

遭難です。 遭難でございます。 そもそも、こんな滅茶苦茶な地図で、目的地に行くというのが無理な話で。 皆の方を見ると、落ち葉を拾ったり、河原を覗いたりして、秋を堪能していた。「なぁ、セゾン。どんぐりって食えんの?」『アクア君、これは食べられ...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』②

大体、ハイキングや遠足は山頂で待ち合わせをし、そこに向かうのが目的だ。 だが、今回は違うそうで、目的地(例の泉)に行って、出発地点であるここに、時間までに戻ってくるというものらしい。 そして、ルールはたった一つ。 一年生と二年生がペアになる...
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 最終章『ハイキングだ!泉だ!これが愛の鞭だぁ!』①

この世界の秋も同じように紅葉シーズンが来るようで、落葉樹の木の葉が赤や黄色に染まっていた。 この日は三連休の初日、秋らしくなってきたので、秋らしい事をしたい話になった。 そして、アクアと大河と話し合いをした結果。「焼き芋焼きたいねぇ」「そう...
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 第三章『召喚と掃除の憂鬱』⑥

『やったね、アクア君。色々あったけど、順調に物事が進んでいるね』 セゾンは安堵しながら、アクアの事を褒める。「きゃん!」「そうだな、順調だな」 アクアはそう返事をし、ケルモドの頭を撫でる。 アクア達は新校舎に戻り、最上階にある理事長室に入る...